知っておきたい、知的財産権に関わる補助・助成金いろいろ

知っておきたい、知的財産権に関わる補助・助成金いろいろ

知的財産権の取得には、特許庁へ納付する出願料や登録料、弁理士への依頼費用などがかかります。これらの費用は、地方自治体などによる補助金交付事業によって補助・助成を受けることが可能です。補助・助成金制度の目的は、経済的な理由によって、有用な発明や考案、創作などの出願ができなくなることの防止です。今回は、知的財産権に関わる補助金や助成金について詳しくご紹介します。

特許出願等援助制度

日本弁理士会による出願費用の助成制度で、対象は特許・実用新案・意匠です。援助を受けるには、社会的に有用で、大きな効果が期待される発明を開発している必要があります。「収入が所定の基準を満たしていない個人」、「法人税が非課税であるか、設立から間もない中小企業とベンチャー企業」が対象です。

助成金額は、申請した内容で異なります。特許出願などに必要な弁理士への依頼費用や経費、特許庁に納付する費用を上限として、助成金額が決定されます。援助決定後に弁理士を選定し、日本弁理士会を交えた三者での契約が必です。

なお、すでに他の援助制度で同様の援助を受けている場合は対象外となります。

産業競争力強化法に基づく軽減措置

特許庁による助成制度で、対象は特許です。一定の条件を満たすことで、特許料と審査請求料、国際出願の調査手数料・送付手数料・予備審査手数料がそれぞれ3分の1になります。

個人事業主は、「従業員20人以下(サービス業と商業の場合は5人以下)」、「事業開始から10年が経過していない個人事業主」のいずれかを満たす必要があります。また、「法人は従業員20人以下(サービス業と商業の場合は5人以下)の小規模企業」、「設立から10年未満でなおかつ資本金が3億円以下」のいずれかを満たさなければなりません。

ただし、法人の場合は大企業の子会社などが対象外です。

中小企業等外国出願支援事業

中小企業の特許・実用新案・意匠・商標の外国出願にかかる費用が半額となります。法人格だけではなく個人事業主も助成を受けることが可能です。また、フォローアップ調査への積極的な協力、違法行為や不正行為を行っていない中小企業であるなど、様々な条件が定められています。

補助率は、助成対象となる経費の2分の1以内で、上限は1中小企業につき300万円です。また、特許150万円、実用新案・意匠・商標が60万円、冒認対策商標30万円と、上限額が権利ごとに定められています。

中小企業等特許情報分析活用支援事業

出願、審査請求、研究開発の段階において、特許情報の調査と分析を無料で行ってもらえる制度です。ただし、特許情報分析費用は、1件100万円が上限となります。また、採択された場合は、ヒアリングやアンケート調査への協力が必要です。応募可能な対象者は、中小企業や個人事業主、地方公共団体、商工会議所、大学、高等専門学校、高等学校などで、具体的な応募条件は定められていません。

ただし、必ず採択されるわけではないため注意が必要です。特許情報の調査は必須ではありませんが、他社の権利を侵害することを防ぐためにも、前向きに検討することをおすすめします。また、このような調査は弁理士に依頼することも可能です。

まとめ

知的財産権の請求や特許調査などにかかる費用は、補助金や助成金を活用することで抑えられます。複数の知的財産権の取得を目指す場合、費用が大きく膨らむため、積極的に活用することが大切です。また、弁理士への依頼費用も助成されるため、積極的に依頼することをおすすめします。

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