特許権を侵害している他社を見つけた、どうすればいい?

特許権を侵害している他社を見つけた、どうすればいい?

口コミや通報、ネットサーフィンなどをしていると、自社の特許権を侵害している会社を見つける場合があります。この場合、どのように対応するべきなのでしょうか。問題を放置すると、自社の損失につながる可能性があるため、早めの対応が必要です。ここでは、特許権を侵害している他社を見つけたときの対応の流れと請求できることについて詳しくご紹介します。

特許権とは

特許権とは、「発明」を一定期間独占できる権利です。商標権や所有権とは異なり、目に見えない無形物を対象としています。特許権の効果が続く期間は、出願日から20年が原則です。つまり、20年以上経過している場合は、他社が「発明」を利用した製品を開発しても特許権が侵害されたことにはなりません。

特許権侵害の他社への対応の流れ

特許権を侵害している会社を見つけた場合は、本当に特許権を侵害しているのか十分に確認が必要です。「存続期間が過ぎていないか」、「発明が似ているだけではないか」などの確認が必要です。弁理士に確認を依頼することで、特許権を侵害しているかどうか明確になります。

特許権を侵害していることがわかったら、次のように対応しましょう。

警告書を送る

まずは、警告書で「特許権の侵害行為の中止」を要求します。警告書には、侵害された製品の名称と特許番号、具体的な侵害行為の記載が必要です。特許権の侵害行為を中止しなければ訴訟を起こす旨を記載するといいでしょう。

特許権を侵害していることが明るみに出れば、その会社の評判が大きく落ちる可能性があるため、速やかに侵害行為を中止する可能性があります。

ただし、警告書には法的効力がないため、特許権の侵害行為をやめない場合もあるでしょう。

解決しない場合は訴訟を起こす

警告書を送付しても特許権の侵害を中止しない場合は、訴訟を起こしましょう。勝訴すれば、裁判所が特許権を侵害した会社に対して、損害賠償金の支払いと侵害行為の中止を命令できます。損害賠償金が支払われない場合には、強制執行も可能となります。

特許権を侵害している他社に請求できること

特許権を侵害している他社に対しては、次の2つを請求できます。

該当の製品の販売や製造の中止

特許権を侵害している製品の販売と製造の中止を求められます。自社の権利と利益が守るためにも、早めに請求しましょう。ただし、侵害している発明を用いた事業を継続するために、特許権の実施許諾を求められる場合があります。

もちろん、実施許諾を認めるかどうかは権利者にゆだねられているため、拒否しても問題ありません。

損害賠償

特許権の侵害行為によって、自社の利益が減少する恐れがあります。そのため、損害賠償を請求し、損失を取り戻すことが大切です。ただし、権利侵害の事実を把握してから3年間が損害賠償を請求できる期間となります。それ以上の月日が経過すると、損害賠償を請求できません。

この場合は、不当利得返還請求によって、自分が受けた損失を限度とした利得の返還を請求できる可能性があります。ただし、10年が時効のため、これも可能な限り早く請求しなければなりません。

信用回復のための措置

特許権の侵害行為によって、権利者の信用が害された場合には、信用回復のための措置を請求できます。例えば、会社HP、新聞広告などに権利侵害の旨や謝罪文を掲載します。

まとめ

特許権を侵害している会社に対しては、まず警告書を送りましょう。侵害行為を中止したとしても、自社の利益を損失したことになるため、損害賠償を請求することが大切です。特許権の権利侵害に関しては、弁理士に相談しましょう。効果的な警告書の作成が可能なため、スムーズな問題解決につながります。

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