実用新案登録の費用を弁理士が徹底解説!~実用新案権取得までの総額と内訳~

実用新案登録の費用を弁理士が徹底解説!~実用新案権取得までの総額と内訳~

【2024最新版】実用新案登録の費用は総額35万円!?ここでは、実用新案権取得までの総額とその内訳を弁理士が徹底的に解説します。

実用新案登録出願の流れ

 実用新案の費用がいくらになるのかを把握するには、まず実用新案登録出願の流れを理解する必要があります。そこで、

 ここでは実用新案登録出願を弁理士にご依頼されてから、実用新案権を取得されるまでのおおまかな流れと共に、その流れの中で費用が発生するポイントを説明いたします。

 実用新案登録出願の流れについては、以下のイラストをご参照ください。

実用新案登録出願の流れ|特許庁ウェブサイト「初めてだったらここを読む~実用新案出願のいろは~」より
用新案登録出願の流れ|特許庁ウェブサイト「初めてだったらここを読む~実用新案出願のいろは~」より

 上記のように手続が進む過程において費用が発生するポイントは上記イラストのピンク色の帯部分になります。「実用新案登録出願」「実用新案技術評価請求」の各ポイントにおいて費用が発生することになります。

 特許庁は、方式審査および基礎的要件審査を経て不備が無ければ、出願された考案の設定登録をします。特許とは異なり、実体審査(新規性等の要件を満たすかどうかの審査)はなされません。

《実用新案技術評価請求について》

 一方で、実体審査を経ることなく登録される実用新案権を行使するためには、実用新案技術評価書を提示して警告をした後でなければならないとされています。実用新案技術評価書は、設定登録された実用新案権の有効性(新規性・進歩性)の客観的な判断材料になるもので、権利者は特許庁に請求することで実用新案技術評価書を受けることができます。

 ただし、上記イラストには実用新案登録出願を弁理士に依頼する場合の費用が掲載されていません。上記のイラストに掲載されている費用は特許庁に納付する手数料のみが掲載されているからです。
 つまり、実用新案の費用(総額)は大まかな計算式で示すと

 実用新案の費用(費用)=特許庁手数料+弁理士費用

となります。

 なお、実用新案登録出願の他に、特許出願や商標登録出願を弁理士に依頼される場合の費用についても、基本的に上記の計算式により導き出されることになります。

実用新案の費用の内訳

 上記を踏まえて実用新案の費用の内訳について表にまとめましたのでこちらをご覧ください。

実用新案技術評価請求を行わない場合

ステージ特許庁手数料※1弁理士費用※2
実用新案登録出願出願手数料:14,000円
登録料:(2,100円+請求項数×100円)×3年分
265,896円 (出願書類作成費など)
登録後60,934円 (成功謝金)
【合計】21,800円※3326,830円
実用新案技術評価請求を行わない場合

実用新案技術評価請求を行った場合

ステージ特許庁手数料※1弁理士費用※2
実用新案登録出願出願手数料:14,000円 登録料:(2,100円+請求項数×100円)×3年分265,896円 (出願書類作成費など)
実用新案技術評価請求実用新案技術評価請求料: 42,000円+(請求項数×1,000円)相談先の弁理士にご確認ください。
登録後60,934円 (成功謝金)
【合計】68,800円※3326,830円+α※4
実用新案技術評価請求を行った場合

※1 特許法等改正により増減する場合があります。

※2 日本弁理士会ウェブサイト「弁理士の費用(報酬)アンケート(平成15年実施)」に基づく平均値です。(明細書15頁、請求項5項、図面5枚、要約書1枚の場合)

※3 請求項数を5項とした場合の特許庁手数料の総額です。産業財産権関係料金一覧|特許庁

※4 実用新案技術評価請求を弁理士に依頼した場合の弁理士報酬(α)が別途加算されます。詳細は実用新案出願を依頼される弁理士や特許事務所にご相談ください。

コラム~特許出願の費用との違い~

 実用新案登録出願の場合、特許出願と異なり、審査を受けるための「出願審査請求」という特許出願では必要な手続が不要になります。また、実用新案登録料についても特許料の半額以下(請求項数が共に5項の場合)となります。費用の総額を特許出願のそれと比較すると、特許出願の費用の総額よりも低料金になっていることが一目瞭然です。

 なお、無審査で登録される実用新案権の場合、その実用新案権の有効性(新規性などの有無)について特許庁審査官の判断を仰ぐために行う「実用新案技術評価請求」という手続を行う場合があります。

 この場合は、別途費用がかかりますが、「実用新案技術評価請求」に伴う費用を合算したとしても、実用新案の費用の総額は特許出願の費用よりも著しく低料金になっています。

実用新案の費用の総額

 以上から、実用新案の費用の総額は、請求項が5項の場合、下記の通りとなります。

特許庁手数料+弁理士費用(実用新案技術評価請求を行わない場合)

68,800円+326,830円=348,630円(税別)※5

特許庁手数料+弁理士費用(実用新案技術評価請求を行った場合)

21,800円+326,830円=395,630円(税別)※6

 ※5 上記の合計額は日本弁理士会が公表している「弁理士の費用(報酬)アンケート(平成15年実施)」に基づいた参考金額です。料金の詳細につきましては特許出願をご相談される弁理士や特許事務所にお問合せください。

 ※6 実用新案技術評価請求を弁理士に依頼した場合の弁理士報酬は含まれておりません。詳細は実用新案出願を依頼される弁理士や特許事務所にご相談ください。 

まとめ

 以上、実用新案の費用について網羅的に紹介しました。以下にポイントをまとめます。

  • 実用新案の費用は特許庁手数料と弁理士費用との合算で求められる。
  • 「実用新案登録出願」「実用新案技術評価請求」の2ステージのそれぞれにおいて実用新案に関する費用がかかる。
  • 実用新案の費用は特許出願の費用より低料金である。
  • 実用新案登録出願から実用新案権取得までの費用の合計金額は、実用新案技術評価請求を行わなかった場合、348,630円である。
  • 実用新案技術評価請求を行なった場合の費用の合計金額は、395,630円である。

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