他社から特許権侵害の警告状、どうすればいい?「弁理士」にご相談を

他社から特許権侵害の警告状、どうすればいい?「弁理士」にご相談を

 あなたの会社が開発した製品やサービスに対して、他社から特許権の侵害を警告されたことはありませんか? そのような状況になったとき、どう対応すれば良いのか困っていませんか?
 ここでは、そんなときに便利な「弁理士」について、その役割と活用方法を細かく解説します。

特許権侵害の警告状とは?

 特許権侵害の警告状とは、あなたが他社の特許権を侵害しているとする旨の警告状のことを指します。
 特許権とは、自社の発明(技術、アイデアなど)を保護するための権利であり、あなたが他社の特許権を侵害した場合、相手方は侵害行為をやめさせることができます。
 そのやめさせる手段の一つが警告状であり、そこで解決しなければ訴訟に発展するというのが一般的です。

誰に相談すればよいか?

実際に警告状がきた場合、誰に相談すればよいのでしょうか?
実際に警告状がきた場合、誰に相談すればよいのでしょうか?

 それでは実際に警告状がきた場合、誰に相談すればよいのでしょうか?
 なんとなく弁護士と思う方が多いかもしれませんが、実は他の選択肢として、「弁理士」に相談する場合も多々あります。

弁理士とは?

 弁理士とは、特許、実用新案、意匠、商標などの知的財産に関する法律の専門家のことを指します。多くの弁理士は、弁護士、公認会計士、税理士などと同様に国家試験をクリアし、法律に基づきその資格を保持しています。

 弁理士は、企業が自社の技術やブランドを守るために、特許を取得したり、商標を登録するための申請書を作成したり、自社の特許権を侵害された場合の対応策を提案したりします。
 また、他社からの特許権侵害の警告に対する対応やアドバイスも行います。

 弁理士という職業は、よく弁護士と間違えられることがありますが、全く別の職業です。弁護士は一般的な法律問題全般を扱いますが、弁理士は特に知的財産権に関する問題を専門に扱います。

 上記のように、弁理士は特許権などの侵害判断の業務も専門としているため、特許権侵害の警告状がきた場合、弁理士に相談するのも選択肢の1つです。

 特許権侵害の場合、複雑な書類を読み解かなければならないため、高い専門性が必要となります。以下に特許権の書類の例を示しますが、何十ページにも及ぶ書類を読み解いて、特許権を侵害しているかの判断をしなければいけません。

amazonのワンクリック特許(特許第4859817号)に関する特許公報
amazonのワンクリック特許(特許第4859817号)に関する特許公報

 この書類はamazonのワンクリック特許(特許第4859817号)に関する特許公報です。

 特許に明るい弁理士に相談すると、場合によっては、非侵害とすぐに判断できるケースもあるため、弁理士を1次相談窓口として活用することにより、警告状に対して迅速に対応することができる場合もあります。

 また、警告書への対応まで行う想定の場合、弁護士と弁理士が共同で相談への対応をした方が良いことがあります。
 弁護士は警告やその先の訴訟に慣れているものの、技術内容や特許の細かいルールまでは把握していない場合もあるためです。これは特許法に詳しい弁護士であっても同様です。

 一方、弁理士は、技術内容や特許の細かいルールを把握しているものの、警告や訴訟の知識や経験は弁護士には及びません。
 したがって、警告書への対応を見据えると、弁護士と弁理士が共同で対応することが適切な場面もあります。
 弁理士には特許法に精通する弁護士と繋がりを持つ者もおり、そのような弁理士を探すことが重要です。

弁理士の問い合わせ先

 以下に、弁理士に相談するための問い合わせ先をご紹介します。

弁理士紹介制度

 日本弁理士会関東会では、「弁理士紹介制度」といった、弁理士会が弁理士を紹介する制度が設けられています。

 この制度では、中小企業・スタートアップ企業のニーズに合う弁理士の紹介を受けることができます。紹介を受けたい方が紹介申請の際に相談事項の概要や希望する弁理士の条件を伝えると、それを踏まえて弁理士が紹介されます。

 「弁理士紹介制度」を利用することで、あなたの問題に適した弁理士を紹介してもらうことが可能です。

 「弁理士紹介制度」に興味がある方は以下のボタンから、「弁理士紹介制度」の説明ページに進んでください。申請フォームも用意されています。

弁理士事務所(Google検索、弁理士ナビ)

 自分で弁理士を探す方法もあります。

 Google等の検索エンジンを活用して、「弁理士事務所 渋谷」、「弁理士事務所 IT」等のキーワードで検索すると、地域や専門分野などによってさまざまな弁理士事務所を見つけることができます。
 また、「弁理士ナビ」は全国の弁理士を探すことができるウェブサイトで、自分の希望する条件に合う弁理士を探すことができます。

知財総合支援窓口(特許庁関連機関)

 特許庁が運営している「INPIT知財総合支援窓口」も弁理士を探すのに役立つでしょう。
 INPITは、特許に関するさまざまなサービスを提供している公的機関で、知財総合支援窓口では、特許に関する相談を受け付けています。

問い合わせ先を選ぶ際のポイント

問い合わせ先を選ぶ際のポイント
問い合わせ先を選ぶ際のポイント

 弁理士に相談する際には、以下の点を考慮すると良いでしょう。

弁理士会から専門家(弁理士)を紹介してほしいか

 弁理士会から専門家を紹介してもらう方法は、自分で検索するよりも間違いが少ない方法です。弁理士会が中立的な立場から適切な弁理士を紹介してくれるため、自分が何を基準に選んだら良いかわからないという人には特におすすめです。

 しかし、紹介制度を利用すると、自分で選ぶ自由度は少なくなります。また、弁理士会から紹介される弁理士は限られており、自分の希望する条件に完全に合致する弁理士を見つけるのが難しい場合もあります。

自分で専門家(弁理士)を選びたいか

 自分で弁理士を選びたい場合、インターネット等を活用して情報を集めることが重要です。 弁理士のウェブサイトや弁理士ナビ等を活用すると、弁理士の専門分野や経験、対応可能な言語等の情報を得ることができます。また、弁理士事務所に直接連絡を取って、自分の問題について相談することも可能です。

 この方法のメリットは、自分のニーズに最も適した弁理士を自由に選ぶことができ、直接弁理士と繋がれるためスピーディーに案件対応できることです。

 しかし、自分で判断しなければならない部分が多いので、ある程度の知識が必要になります。弁理士の選択は難しい作業であり、間違った選択をすると問題の解決が難しくなる可能性もあります。

公的機関に相談に乗って欲しいか

 中立的な公的機関から相談に乗って欲しい場合、特許庁のINPIT等があります。公的機関は中立的な立場であるため、安心して相談することができます。

 しかし、実際の案件対応は弁理士や弁護士がする場合が多く、結局は専門家を紹介される場合があるため、スピーディーな対応が難しくなる場合があります。
 また、公的機関から紹介される弁理士は限られており、自分の希望する条件に完全に合致する弁理士を見つけるのが難しい場合もあります。

まとめ

 特許権の侵害警告が来たとき、弁理士に相談することで適切に対応することが可能です。弁理士は特許に詳しい専門家であり、あなたの会社を守るための強い味方となります。
 また、弁理士と弁護士が協力して案件対応を行うこともあります。ぜひ、この記事を参考に弁理士を活用してみてください。

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