特許を取得するためには、特許庁へ申請しなければなりません。申請時には、手数料がかかるため、事前に確認しておきましょう。また、条件を満たすと手数料が減額される場合もあるため、あわせて確認しておくことが大切です。今回は、特許庁への特許の申請時にかかる手数料と減額対応について詳しくご紹介します。
特許とは?
そもそも特許とは、「発明」を一定期間保護する制度です。特許を取得できれば、その発明を利用して製品を作ったり売ったりするなどの発明を実施する権利を出願日から原則20年間独占できます。その間、他の企業や個人が発明を許可なしに利用することはできません。特許を取得するためには、特許庁に特許出願をして、審査を通過する必要があります。
特許の取得にかかる必要な費用
特許の取得にかかる費用には、「特許庁に支払う手数料」と、「代理人に依頼した際にかかる費用」があります。それぞれ詳しくみていきましょう。
特許庁に支払う手数料
特許の取得までには、「出願」、「出願審査請求」、必要に応じて「拒絶理由対応等の中間手続」、「特許料の納付」のステップを踏みます。このうち、「出願」と「出願審査請求」、「特許料の納付」において、特許庁に支払う手数料が発生します。
・出願時
出願の際には、14,000円の出願費用がかかります。
・出願審査請求時
出願審査請求費用として、142,000円~の費用がかかります。発明の数である「請求項」の数に応じて手数料が高くなります。
・特許料の納付
特許料として、11,200円~の手数料がかかります。手数料は、請求項の数に応じて高くなります。また、第1年~3年度分までの特許料の一括納付が必要です。
上記を踏まえると、最低でも167,200円の手数料がかかります。
代理人に依頼する場合にかかる費用
日常的に特許庁への手続を行っている弁理士に特許申請を依頼することで、手続き上のミスのリスクを減らせます。
弁理士など代理人に特許の出願を依頼する際にかかる費用は、事務所によって異なります。手続きのステップごとに費用がかかる場合もあれば、1時間ごとに費用がかかる場合もあります。また、審査に通過し特許査定をもらった際に成功報酬がかかるケースもあるため、事前に確認しておきましょう。
なお、相談料もかかる場合とかからない場合があります。
減額対応
審査請求料と特許料(最大第10年度分まで)は、条件を満たすことで減額対応を受けられます。減額対応の対象となるのは、中小企業や中小ベンチャー企業、小規模企業、個人、独立行政法人など様々です。減額対応の対象と内容は次のとおりです。
(1)審査請求料は1/2に軽減、特許料は第1年~第10年分まで1/2に軽減
・中小企業(会社・個人事業主・組合・NPO法人)
・研究開発型中小企業(法人・個人事業主)
・法人税非課税中小企業(法人)
・アカデミック・ディスカウント(大学等の研究者・大学等)
・独立行政法人
・公設試験研究機関
・地方独立行政法人
・承認TLO
・試験独法関連TLO
(2)審査請求料は1/3に軽減、特許料は第1年~第10年分まで1/3に軽減
・中小ベンチャー企業(法人・個人事業主)
・小規模企業(法人・個人事業主)
(3)審査請求料は免除または1/2に軽減、特許料は第1年~第3年分まで免除または1/2に軽減
・個人(市町村民税非課税者等)
特許庁へ提出する出願審査請求書と特許料納付書に設けられている特記事項に必要事項を記入することで、減免を申請できます。
まとめ
特許の取得には、最低でも167,200円がかかるため、積極的に減免を受けることが大切です。2019年4月1日から手続きが簡素化されており、特許出願の際に特記事項に記入するだけで減免の審査を受けられます。特許の取得および減免申請について不明点がある場合は、特許を含む知的財産の専門家である弁理士に相談しましょう。
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