| この記事のまとめ |
| 「特許事務所」に商標登録は依頼できる?事務所の名称によって業務範囲は違うの?そんな疑問に答えます。結論としては、商標の依頼は可能です。事務所名は業務範囲を制限せず、得意分野の違いを示すもの。専門外でも他の弁理士を紹介してもらえるので、まずは気軽に相談しましょう。 |
1.はじめに
「商標登録をしたいけど、どこに頼めばいいんだろう?」 「近所にあるのは『特許事務所』だけど、商標もやってもらえるのかな?」
このように、事務所の名前を見て迷ってしまった経験はありませんか?「特許事務所」と聞くと、「特許しか取り扱ってもらえないのでは?」という印象を持つ方もいるかもしれません。
ご安心ください。結論から言うと、「特許事務所」に商標登録を依頼することは可能です。
実際には、特許事務所に所属する弁理士は、特許だけでなく、商標や意匠(デザイン)の出願、著作権や知的財産に関する相談全般を業務として扱うことができます。
この記事では、知財ビギナーの方が抱きやすい「事務所名の違い」に関する疑問にお答えします。
2.名前の違いは「業務範囲の違い」ではない
街中やインターネットで弁理士の事務所を探すと、いろいろな名称があることに気づくでしょう。
- 〇〇特許事務所
- 〇〇特許商標事務所
- 〇〇知的財産事務所
- 弁理士法人〇〇
「特許商標事務所」なら分かりやすいけれど、「特許事務所」だと商標はダメ?「知的財産事務所」って何?「弁理士法人」って?
実は、これらの名称によって、弁理士が取り扱える業務範囲が法律で制限されているわけではありません。
名称の違いは、その事務所を設立した弁理士が「どの分野を得意としているか」をアピールしたい場合や、「事務所としてどういう看板を掲げたいか」という方針によるものがほとんどです。
例えば、「特許」に関する業務を中心に行ってきた弁理士が「〇〇特許事務所」と名乗ることもあれば、幅広く対応できることを示すために「〇〇知的財産事務所」と名乗ることもあります。あくまで、事務所の「顔」や「スローガン」のようなものだと捉えて良いでしょう。
3.ただし「得意分野」が異なることはある
名称は業務範囲を制限しない、とはいえ、一つ注意したい点があります。 それは、弁理士や事務所によって「得意分野」が異なるケースがある、ということです。
医者にも内科や外科、眼科といった専門分野があるように、弁理士にも得意とする分野があります。
- 最先端のAI技術や化学分野の「特許」を専門的に扱ってきた事務所
- アパレル業界や飲食店の「商標」登録の実績が豊富な事務所
- スタートアップ企業の知財戦略全般をサポートするのが得意な事務所
これは当然のことです。 もし、あなたが商標登録を依頼した事務所が、たまたま特許を専門にしており、商標の実務経験が少なかった場合はどうなるのでしょうか?
「断られてしまうの?」「あまり詳しくない人に担当されてしまうの?」と不安になるかもしれません。
4.専門外でも大丈夫!適切な弁理士につなげてもらえます
その点もご安心ください。 弁理士は、依頼者(あなた)の利益を守ることが最優先です。もし依頼された案件が自身の専門分野と少し異なる場合や、より適した専門家がいると判断した場合には、適切な弁理士や事務所を紹介してくれるのが通常の対応です。
弁理士同士には横のつながりがあり、それぞれの得意分野を尊重し、協力しあう体制ができています。
依頼者であるあなたの立場からすれば、最初の相談窓口は変わらず、そこから最適な専門家につなげてもらえるのです。
5.まとめ:名前にとらわれず、まずは相談を
「特許事務所」という名前でも、商標の相談はまったく問題ありません。今回のポイントを整理しましょう。
- 「特許事務所」でも商標登録の依頼は可能です。
- 事務所の名称(特許、商標、知的財産など)は、業務範囲を限定するものではありません。
- ただし、弁理士ごとに得意・不得意な分野があるのは事実です。不安な場合は「商標のご経験は豊富ですか?」と確認してみましょう。
- もし専門外であっても、多くの場合は他の適切な弁理士を紹介してもらえるので安心です。
大切なのは、「名前がこうだから…」と自分で判断して諦めてしまうことではなく、「まずは気軽に相談してみること」です。


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