商標登録の費用を弁理士が解説！～商標権取得までの総額と内訳～

商標登録の費用は1区分につき総額16万円！？ここでは、商標権取得までの総額とその内訳について弁理士が解説します。

商標登録の流れ

　商標登録の費用がいくらになるのかを把握するには、まず商標登録の流れを理解する必要があります。そこで、ここでは商標登録出願を弁理士にご依頼されてから、商標権を取得されるまでのおおまかな流れと共に、その流れの中で費用が発生するポイントを説明いたします。

　商標登録の流れについては、以下のイラスト「商標審査の流れ」をご参照ください。

　上記のように手続が進む過程において費用が発生するポイントは上記イラストのピンク色の帯部分になります。「商標登録出願」「意見書・補正書」「登録料納付」の各ポイントにおいて費用が発生することになります。

《意見書・補正書について》

　特許庁は、実体審査の結果、出願された意匠が登録できると判断すれば登録査定を送付します。一方、登録できないと判断すれば、拒絶理由通知を送付します。拒絶理由通知は暫定的な審査結果であり、意見書や補正書という書類を適切に提出します。そして、主張内容が認められれば登録査定となります。

　ただし、上記イラストには商標登録出願を弁理士に依頼する場合の費用が掲載されていません。上記のイラストに掲載されている費用は特許庁に納付する手数料のみが掲載されているからです。
　つまり、商標登録の費用（総額）は大まかな計算式で示すと

　　商標登録の費用（総額）＝特許庁手数料+弁理士費用

となります。

　なお、商標登録の他に、特許出願や実用新案登録出願や意匠登録出願を弁理士に依頼される場合の費用についても、基本的に上記の計算式により導き出されることになります。

商標登録の費用の内訳

　上記を踏まえて商標登録の費用の内訳について表にまとめましたのでこちらをご覧ください。

拒絶理由通知を受けることなく登録査定を受けられた場合

意見書・手続補正書を提出した場合

　※1　特許庁手数料は、2025年1月1日時点のものです。その後の特許法等改正により変更となる場合があります。
　※2　日本弁理士会ウェブサイト「弁理士の費用（報酬）アンケート（平成15年実施）」より、区分数を1区分とした場合
　※3　区分数を1区分とした場合の特許庁手数料の総額です。産業財産権関係料金一覧｜特許庁

《区分とは？》

　商標登録出願の場合、区分数によって料金が変動します。「区分」とは、指定商品や指定役務を分野別に分類したものになります。「指定商品・指定役務」とは、（出願する）「商標を使用する商品やサービス」のことをいいます。

　区分は第１類～第４５類まであります。例えば、自動車メーカーがその社名や車名（商標）を自動車（商品）に使用する場合は「第１２類」が該当する区分になります。また、ホテル業を営む企業がそのホテル名（商標）を宿泊施設の提供（サービス）に使用する場合は「第４３類」が該当する区分になります。

　上記の費用は１区分の場合の費用を表示していますが、商標登録出願の場合、区分追加毎に料金が加算される料金体系になっています。特許庁手数料については上記計算式により求めることができますが、弁理士費用の詳細については相談先の弁理士や特許事務所にお問合せください。

商標登録の費用の総額

　以上から、商標登録の費用の総額は、区分数を1区分とした場合、下記の通りとなります。

特許庁手数料+弁理士費用（拒絶理由通知を受けることなく登録の場合）

　44,900円+112,398円＝157,298円（税別）^※4 

特許庁手数料+弁理士費用（意見書及び手続補正書を提出した場合）

　44,900円+200,884円＝245,784円（税別）^※4 

　※4　上記の合計額は日本弁理士会が公表している「弁理士の費用（報酬）アンケート（平成15年実施）」に基づいた参考金額です。料金の詳細につきましては商標登録を相談される弁理士や特許事務所にお問合せください。

まとめ

　以上、商標登録の費用について網羅的に紹介しました。以下にポイントをまとめます。

• 商標登録の費用は特許庁手数料と弁理士費用との合算で求められる。
• 「商標登録出願」「意見書・補正書」「登録料納付」の３ステージのそれぞれにおいて商標登録の費用がかかる。
• 商標登録出願から商標権取得までの費用の合計金額は、拒絶理由通知を受けることなくストレートに登録査定が得られた場合、157,298円（約16万円（1区分の場合））である。
• 意見書及び手続補正書を提出した場合の合計金額は、245,784円（約24万円（1区分の場合））である。